先生って言う名前の人
「華が謝ることじゃない。
俺は好きで華とおばあさんとご飯食べてるし、
一緒に食べない日は寂しいよ。
華と約束したのを負担に思ったことなんか一度もない」

「、、ほんと?」

「ほんと」


先生は真剣にあたしの目を見て言ってくれた。


「先生のことまだ独り占め出来る?」

「できる。ずっとできる」


でも
あたしが泣き虫だから、
先生の生徒だから、
おばあちゃんが先生のことを好きだから、

先生は気を遣っているんじゃないかな。


でも福野先生のことはいつも怒るし、、

そんなことを考えているともう頭の中がぐちゃぐちゃになって、よく分からなくなってきた。


「、、なんで?」


、、、なんでってなんだろ、と心の中で思ったはずなのに、勝手に声に出ていた。


先生はあたしの独り言を聞いて、笑っちゃいけない時みたいな笑い方をした。


先生の少し笑った可愛い顔を見ると、さっきまでのことが全部全部どうでもよくなった。


「もう足も痛いし色々ぐちゃぐちゃだし、、
もうやだ!」

「家までおんぶして」


気付くとあたしは、また先生にわがままを言っていた。


先生は泣いてひどい顔になったあたしを見て笑った。


「、、あとでな」


そう言って先生は、

おっきい体であたしをぎゅって抱き締めてくれた。



< 157 / 199 >

この作品をシェア

pagetop