先生って言う名前の人

「華ちゃん、福野先生に可愛い顔見せないでください」


先生の顔を見ようとしたけど、
先生はあたしを抱き締める腕にぎゅっと力を入れて逃がしてくれなかった。


「なんですか、それ」


「華の笑った顔、破壊力ありすぎ。
誰でも好きになっちゃいます」


それは、、
先生が思ってくれてることなのかな。

先生はいつもわかりにくい。

でも、もし勘違いだったとしても、嬉しかった。


「、、笑わないなんて無理だよ。
もう笑えてきた」


あたしがふふふ、と笑うと、先生の腕がほどけてあたしは先生を見た。


「可愛いよ、浴衣。世界一可愛い。
ほんとは花火の時言いたかった」


先生はあたしの顔をじっと見て、すごく愛おしい目をしながら言った。



その日の帰り道、先生はあたしをおぶりながら家に着くまで、

何回も何回も可愛いって言ってくれた。


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