先生って言う名前の人

「先生、今日は何時に終わりますか」


先生はあたしに気付いて少し笑った。


「、、華か。19時には帰るよ」

「今日はオムライスだよ」

「ほんと?じゃあ頑張って仕事する」

「、、待っててもいい?」

「え?いいけどまだ時間かかるよ?」

「うん。ここで待ってる」


あたしは梨花の席、先生は梨花の前の席を後ろに向けて、

ふたり向かい合わせで座った。


先生は職員室からパソコンを持ってきて仕事をして、あたしはさっきサボった授業のプリントをやった。



先生と話したくて、本当はわかるところもわからないふりをして教えてもらった。


何回も何回も、

好きって言おうと思った。



「ねぇ先生、卒業してもご飯食べに来てくれる?」


これが精一杯の告白だった。

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