先生って言う名前の人

「行くよ。
言っただろ、華が来て欲しくなくなるまで行くよ」


「ほんと?おばあちゃんが心配してた。
あたしが卒業したらもう来ないんじゃないかって」


おばあちゃんは本当にそう言ってたけど、
あたしはの方がそう思ってた。


「俺は華とおばあさんが居てくれて
ほんとによかったと思ってるよ。
捨てないで欲しいのは俺の方かもな」


先生は優しい顔で笑っている。


もし本心じゃなかったとしても、
あたしを傷つけないために言ったとしても、

とっても嬉しかった。


それから先生と他愛のない話をしながら楽しく課題をやったけど、

先生がもう帰ろう、オムライス食べたいって言うから、

駅で待ち合わせして一緒に電車に乗って帰った。


ひとみも1年生の時はよく、
彼氏とどこかで待ち合わせして一緒に帰るって言ってた。


制服のまま先生とふたりで歩くことがとっても新鮮で、嬉しかった。


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