先生って言う名前の人
「華」
空き缶が増えていく中、先に声を出したのは先生だった。
あたしは手に持っていたビールをテーブルに置いて、ん?と先生を見ると、
先生はあたしの顔をまっすぐ見つめながら、左手であたしの髪の毛を優しく耳にかけた。
「、、なに?」
「俺、
華が、、、、」
先生はそう言ったあと黙り込んでしまった。
あたしの心臓はさっきよりうるさくなって、
息をするのも苦しかった。
「なに?早く言ってよ。息止まりそう」
すると先生はまた、おっきな体で優しく包み込んだ。
あたしの顔は先生の胸にぴったりくっついて、
先生がどんな顔してるのか、わからなかった。