先生って言う名前の人
愛してる、
消えそうな低い声が体を伝わってあたしの耳に届いた。
いまは先生とあたし、ふたりしかここに居ない。
あたしは先生の腕の中にいる。
先生はあたしに言ってるんだ。
顔とぴったりくっついた先生の胸から伝わる鼓動が、
嘘でも夢でもないと教えてくれる。
あたしは嬉しくて恥ずかしくてどうしようもなくて、
ただふふ、と笑うことしか出来ない。
「先生、心臓どきどきしてる」
「、、うるさい」
あたしも先生の背中に腕を回して、ぎゅっと力を込めた。
「あたしも先生のこと大好き。
ずっと一緒に居たい」
恥ずかしくて、体に力が入る。
「ふふ、言っちゃった」
一度言ってしまうと、何かが吹っ切れたように何度でも大好きと言いたくなった。