先生って言う名前の人
大人の階段
大人になった日から年が明けるまでの2ヶ月間で、
あたしは4人の男の子から告白された。
嬉しかったけど、みんな断った。
その中には去年裏庭で一緒に授業をサボった井上くんも居た。
井上くんは学校帰りのあたしを駅で待ちぶせしていて、
喫茶店でジュースを奢ってくれた。
「ごめんね、あたし好きな人が居るから」
「、、やっぱそうだよね。
前に言ってた人?」
うん、と答えると、井上くんは降参、と言ってハハ、と笑った。
フラれても笑顔であたしと話してくれる井上くんのことを、本当にすごいと思った。
「付き合ってるの?」
「んー、わかんない。でも、、」
愛してるって言ってくれた。
それを思い出すと顔が熱くなる。
井上くんは赤くなったあたしの顔を見て言った。
「ふふ、わかったよ。
なんか華ちゃん大人っぽくなったから、
絶対彼氏出来たと思ってた。
でも泣かされたら俺んとこ来てね」
そう言って笑顔で明るくあたしを見た。