先生って言う名前の人

先生はあたしの腕を優しく引いて、
いつもカップルがいる帰り道の途中の公園のベンチに座らせた。


「、、どした青山」


先生の声はいつもより優しくて、ずっと心の奥に閉じこめてたものが急に溢れ出す。


「、、、っかれた、、、」


言わないようにしてたのに。

弱音なんて誰にも吐きたくなかったのに。


「、、なに?」

「つかれ、、っ、た、、ひっ」


涙も思いも、勝手にボロボロ出て来る。
先生の問いかけに、嗚咽でうまく答えられない。

初めてお店で会った日はあんなに問い詰めてきたのに、

先生はなにも聞かずにそっか、そっかって
優しく頭を撫でてくれた。


大きい手が暖かくて、気がつくとあたしは先生に

泣きながらたすけてって言ってしまっていたーーーー。

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