先生って言う名前の人
階段を降りると、先生はやっぱり下で待っていてくれた。
先生のお迎えも今日が最後か、と思うと少し寂しかった。
帰りたくなかった。
「先生、明日は学校行くの?」
明日は土曜日。あたしは学校もないしバイトももうない。
「うーん、別に行かなくてもいい」
「じゃあさ、、」
勇気を振り絞って言ってみた。
「今から先生のお家行きたい」
先生はあたしの顔を見て固まった。
「いいでしょ?だめ?」
先生の顔を覗き込んで聞いてみたけど、先生はしばらく何も言わなかった。
、、やっぱりあたしは妹にはなれないのかな。
そう思って諦めかけたとき、店辞めたらな。って聞こえて来た。
「お店は今日が最後だよ」
「え?ほんとに?」
「うん。先生とおばあちゃんが心配するから。
じゃあ行ってもいい?」
「、、いや、それでもだめ!だめだめ!」
「なんでよ。
ずっとあたしの家でご飯食べてるくせに」
「、、それはそうだけど」
「じゃあいい?やった」
あたしは強引に先生の家についてくことにした。
先生は毎日あたしが眠るまで一緒に居てくれるけど、
夜中起きたらもう居ないから。
朝起きたらまたひとりぼっちだから。