先生って言う名前の人
また読んでる、って言ったら
先生はごめんごめん、って言って本を閉じてくれたけど、
なにか半分に折った紙切れが一枚、本から落ちた。
あたしは先生が拾う前にさっと手を伸ばして、先に紙を広げた。
中村先生へ。
好きです
佐藤梨花
って書いてあった。
あたしは梨花の恋を邪魔したいわけじゃないのに、
先生には絶対に見せたくなかった。
「なんの紙?」
「、、先生は見なくていいやつ。」
最低なあたしは、
梨花が先生に向けて一生懸命書いた手紙を先生に見せずに、
食器棚の引き出しにしまった。