先生って言う名前の人
あたしは先生のそうだよ、と言う言葉で、また全部がなくなった気がした。
そうだよね、頭ではわかってるのに
全然涙が止まらない。
泣きたくないのに。
困らせたくないのに。
最悪な空気の中、おばあちゃんはお風呂から上がって来た。
何かを察したおばあちゃんは、あたしの手に千円札を握らせた。
「華ちゃん、お風呂上がりはあっついねぇ。
先生と一緒に冷たいもの買っておいで」
そう言ってあたしと先生を家から追い出した。
先生は玄関の前で突っ立つあたしの腕を引いて、歩き出した。