先生って言う名前の人
先生が見えなくなってもずっと、窓から外を見つめた。
ずっと胸がどきどきしたまんまで、
ずっと息が苦しい。
「華ちゃん」
おばあちゃんが部屋に入ってきて、笑顔で言う。
「先生にごめんねって言えた?」
おばあちゃんはなにも言わなくても、いつもわかってくれる。
あたしが首を横に振ると、おばあちゃんはベッドに腰掛けて教えてくれた。
「いつまでも一緒に居られると思っちゃだめよ。
好きな人には好きって言わないと。
悪いことした時はごめんねって言わないと」
うん、と言っておばあちゃんの横に座ると、
おばあちゃんはあたしより少し小さい体で、優しく抱き締めてくれた。
、、そっか。やっとわかった。
言葉にならない気持ちが、確信に変わった。
あたしは先生が好きなんだ。