先生って言う名前の人
HRが始まる前に教室に戻ったら、ひとみが駆け寄って来た。
「華、大丈夫?心配したよ〜」
「ごめん、裏庭で寝てたら井上くんが来て一緒にサボってた」
笑いながら言うと、ひとみはにやにやしながらあたしを見た。
「まさか前言ってたお兄ちゃんの話って、井上くんのこと?」
「違うよ」
ひとみには先生のことは、口が裂けても言えない。
ふたりでじゃれ合っていたら先生が来た。
あたしは先生と目を合わさないように席に戻って、HRが終わるとすぐひとみと一緒に教室を出た。
「今日梨花が部活終わるの待って、ちょっとだけ遊びに行かない?」
「いいよ」
先生が帰って来る時間までに家に帰ればいいや、と思った。
梨花の部活が終わるまで、ひとみと体育館の前で時間を潰した。