先生って言う名前の人
知らない人
その日から先生は全然ご飯を食べに来なくなった。
あたしは学校で会っても目を合わせないし、
先生は、おばあさん元気か、とか
ちゃんとご飯食べてるか、とか
夜遊びしてないだろうな、とか
うん、とか、ううん、で簡単に答えられることしか話してくれなかった。
梨花の本にはありがとうって書かれた紙が挟まってて、
あたしはどちらにも受け取れる先生の返事に戸惑ったけど
梨花はまだ先生のことが好きだと言ってた。
あたしが好きって言っても
先生はありがとうって言うんだろうな。
あたしにとって先生は、もう優しい存在でもなんでもなくなってしまっていた。
もうこのままお家にも来なければいい。
学校でも会いたくない。