先生って言う名前の人

3人で食べるハンバーグは本当に美味しかった。

ケーキも食べて、おばあちゃんと先生はビールも飲んでた。


あたしはおばあちゃんの前ではお酒は飲まないから、
おばあちゃんが見てない隙に先生のビールをちょこちょこ飲んだ。


先生はそれを見て声に出さずに静かに笑ってる。


先生がソファの横に置いたかばんを手に取った。

まだそんなに遅くないのに。


「もう帰るの?」

あたしが聞くと、もう少し居たらいいのに、とおばあちゃんも口を揃えた。



「いや、ふたりに渡したいものがあって」


先生はそう言うとかばんの中から可愛く包装された袋と長細い箱を出した。

先生はあたしに長細い箱、おばあちゃんに袋を手渡して

「クリスマスプレゼントです。

いつもお世話になってるので」

と、丁寧に言った。



おばあちゃんは涙を流して喜んでたけど、

あたしは嬉しすぎて反応できなかった。


もっと可愛くありがとう、とか言えばいいのに。


ただただ先生にもらった箱をじっと見つめてると、
華ちゃん、あれ持って置いで、とおばあちゃんが言った。

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