罪
episode1
ーside陽向ー
俺は、彼女と出会ったあの日を今でも忘れない。
忘れてはいけない。
救急で運ばれてきた少女は、まるで人形のようだった。
質問の問いかけにも、反応せず終始無表情だった。
でも、そんな表情をしていても1つだけ読み取れることがあった。
それは、君の悲しい瞳だった。
『佐伯汐帆(さえき しほ)』
「汐帆ちゃん、手の治療だけさせてもらっていいかな?」
血だらけの少女の手を、俺はタオルで止血してから、包帯で巻いた。
傷口は、思ったよりも深くて大量出血をしていた。
そのせいで、少女の状態は良くなかった。
「秋元さん(看護師)、今日はもう上がっていいよ。
汐帆ちゃんは、俺が病室まで送っていく。」
汐帆ちゃんは、ここで安心して入院ができるのだろうか。
とりあえず、個室に汐帆ちゃんを誘導した。
車椅子から、降りてからゆっくりとベッドに横になった。
それにしても…。
どうして、この子の親は来ないのだろうか。
そもそも、どうして警察官と一緒に来たのだろうか。
「汐帆ちゃん、何かあったらすぐにここを押して教えてね。」
俺は、ナースコールを彼女の隣に置いて分かるように説明をした。
汐帆ちゃんは、それを見ることなく俺に背を向けた。
「じゃあ、おやすみ汐帆ちゃん。」
そう汐帆ちゃんに言ってから、部屋の電気を消した。
俺は、彼女と出会ったあの日を今でも忘れない。
忘れてはいけない。
救急で運ばれてきた少女は、まるで人形のようだった。
質問の問いかけにも、反応せず終始無表情だった。
でも、そんな表情をしていても1つだけ読み取れることがあった。
それは、君の悲しい瞳だった。
『佐伯汐帆(さえき しほ)』
「汐帆ちゃん、手の治療だけさせてもらっていいかな?」
血だらけの少女の手を、俺はタオルで止血してから、包帯で巻いた。
傷口は、思ったよりも深くて大量出血をしていた。
そのせいで、少女の状態は良くなかった。
「秋元さん(看護師)、今日はもう上がっていいよ。
汐帆ちゃんは、俺が病室まで送っていく。」
汐帆ちゃんは、ここで安心して入院ができるのだろうか。
とりあえず、個室に汐帆ちゃんを誘導した。
車椅子から、降りてからゆっくりとベッドに横になった。
それにしても…。
どうして、この子の親は来ないのだろうか。
そもそも、どうして警察官と一緒に来たのだろうか。
「汐帆ちゃん、何かあったらすぐにここを押して教えてね。」
俺は、ナースコールを彼女の隣に置いて分かるように説明をした。
汐帆ちゃんは、それを見ることなく俺に背を向けた。
「じゃあ、おやすみ汐帆ちゃん。」
そう汐帆ちゃんに言ってから、部屋の電気を消した。
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