天神の系譜の奇妙なオムニバス
学園生活を送っていれば、色んな生徒と出会う事が出来ると楽しみにしていたのだが。

「何だ、生徒が来ねぇんじゃつまんねぇな」

「まぁまぁ、夏休み中でも部活や生徒会の仕事で学園に来る生徒もいますから、そんなガッカリする事もないと思いますよ」

肩を落とすリュートに、古奈美が声をかける。

その時だった。

「おい、そこの貴様」

廊下を歩いてきた制服姿の男子生徒の一団が、リュート達に声をかけた。

「貴様、見ない顔だな。天神学園部外者は立入禁止だ、即刻出て行け!」

「あぁ?」

有無を言わさぬ物言いに、眉を顰めるリュート。

制服姿の一団…その先頭に立つ男が、手にした得物をリュートに向けた。

抜き身の日本刀だ。

「天神学園自警団の指示に従えんのか!」

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