天神の系譜の奇妙なオムニバス
沖田の復唱を聞いた土方は、リュートの方を見る。

「リュート・グリフィノーだな。先程学園長室で貴様の事は聞いた。ミルトゥワからの留学生だそうだな。こちらの情報不足だった。自警団副団長として詫びよう」

居住まいを正し、深々と首を垂れる土方。

「お、おぅ…気にするこたねぇよ」

誤解が晴れれば別にいい。

サラリと水に流すリュート。

「だが」

首を垂れたままの姿勢。

その前髪から覗く土方の鋭い視線に、リュートは背筋が寒くなる思いだった。

「自警団の隊長と隊員を、貴様は這い蹲らせた…その事実だけは心に留めておく。それがどういう事なのか…努々忘れん事だ、リュート・グリフィノー」

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