天神の系譜の奇妙なオムニバス
「さぁ!」

沖田は一気に斬り込んできた!

「僕の愛刀・加州清光(かしゅうきよみつ)を躱せますかっ?」

「くっ」

以前よりも鋭い踏み込みから放たれる高速の斬撃を、リュートは右に左に回避する。

嬉々として打ち込まれる剣は、まるで沖田がこの状況を愉しんでいるかのようだった。

「何笑ってやがんだお前!楽しいのか、この状況!」

「楽しいですよ」

斬り上げを見舞う沖田。

切っ先が、リュートの前髪を数本切り取っていく。

「近藤さんや土方さんの命令で、強い相手と心置きなく戦える。こんな楽しい事はないです」

「…何言ってやがる」

リュートは呼吸を乱しながらも、沖田を睨んだ。

「お前自身の考えはないのかよ。誰かの命令で、何の怨みもない相手を傷つけて…お前は誰かの操り人形かよ!」

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