天神の系譜の奇妙なオムニバス
リュートは一歩前に出る。

「だからお前は、土方より強くなっても今のポジションのままなんだよ。自分で考えずに、言われた通りに動くだけ…どんなに強くても、ただの人形だ」

「…失礼だなぁ」

清光を八双に構える沖田。

「何だ?人形の癖に一端に頭に来るのかよ」

リュートがニヤリと笑った。

「言われた事しかできない木偶の癖に、いっちょ前に怒ってんじゃねぇや」

「言ってくれますね!」

構えたまま前に出る沖田。

袈裟懸けに振り下ろした刀を、リュートは反射的に躱した。

刃の風切り音で分かる。

先程言っていた『ザンテツ』という奴だ。

どんな技法なのか、リュートは知らないが、食らえば只では済まない事は肌で感じ取れた。

それ故に受け止めない。

受け止めず、回避されて地面を叩いた清光の刀身を。

「!!」

リュートは踏み付けて封じる!

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