天神の系譜の奇妙なオムニバス
強かに、床に叩き付けられる沖田。

リュートが故意に頭を浮かせた為に頭部は打っていないが、一瞬呼吸が止まってしまう。

そんな無防備な所へ打ち放たれる、リュートの右拳!

倒れたままで、顔面を叩き潰される!

だが。

「っ……?」

リュートは寸前で拳を止めていた。

「何故…打たないんです?トドメを刺すのは戦場(いくさば)での鉄則ですよ?」

「ここは戦場じゃねぇからな」

身を退くリュート。

「天神学園だ。ここではこういうやり方なんだって、俺は親父やオフクロからそう教わった」

「……」

沖田は微かに笑った。

「殺せるのに殺さない…手心を加えられた時点で、勝敗は決していますか…」

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