天神の系譜の奇妙なオムニバス
体を動かす事は好きで、特に昔から拳闘術にのめり込んでいたリュートだが、反面、誰に似たのか(母方の丹下の血筋です)勉強は苦手で、すすんで勉学に勤しむ事はなかった。
そんなリュートが留学?
「どこに?」
「ですから、私達も聞かされておりませんで…申し訳ありません、ティグル様」
「あ、ううん、いいよ。聞かされてないのに詰め寄っても仕方ないもんね。ごめんね、有り難う」
侍女に笑顔でそう伝え、ティグルは旅の荷物もそのままに、離宮内を歩き回った。
ティグル同様、母のタンポポもリュートの事は大好きだ。
母ならリュートの行方を知らない筈はないだろう。
そう思い、母の部屋へ。
ノックして入るなり。
「ティグ君!」
タンポポはティグルの胸にしがみ付いた。
「リュー君が留学に行って、おかーさん寂しいよぉ!…あ、リュー君がリューガク…なんか面白いね、この言い方」
寂しいのか面白いのか、どっちだ。
「母さんも、リュー君の行き先は知らないのかい?」
ティグルが訊ねるが、タンポポは首を横に振る。
「リプニー先生の手配で、リュー君は留学したみたいで…あ!」
ピンと来たように、タンポポは声を上げる。
「リプニー先生の手配なら、もしかしたら天神学園かな?」
そんなリュートが留学?
「どこに?」
「ですから、私達も聞かされておりませんで…申し訳ありません、ティグル様」
「あ、ううん、いいよ。聞かされてないのに詰め寄っても仕方ないもんね。ごめんね、有り難う」
侍女に笑顔でそう伝え、ティグルは旅の荷物もそのままに、離宮内を歩き回った。
ティグル同様、母のタンポポもリュートの事は大好きだ。
母ならリュートの行方を知らない筈はないだろう。
そう思い、母の部屋へ。
ノックして入るなり。
「ティグ君!」
タンポポはティグルの胸にしがみ付いた。
「リュー君が留学に行って、おかーさん寂しいよぉ!…あ、リュー君がリューガク…なんか面白いね、この言い方」
寂しいのか面白いのか、どっちだ。
「母さんも、リュー君の行き先は知らないのかい?」
ティグルが訊ねるが、タンポポは首を横に振る。
「リプニー先生の手配で、リュー君は留学したみたいで…あ!」
ピンと来たように、タンポポは声を上げる。
「リプニー先生の手配なら、もしかしたら天神学園かな?」