天神の系譜の奇妙なオムニバス
轟音、後に爆発。

シャッターは紙屑の様に破られ、構造物ごと吹き飛ばされた。

その向こう側から現れたのは、小さく鳴くチワワ。

宿泊客が連れてきていたのか。

飼い主は避難する際にはぐれ、残してきてしまったらしい。

ダンドリッジは、そのチワワの首をムンズと摑み、片手でヒョイと持ち上げる。

雑に、しかし極めて優しく。

「貴様で逃げ遅れは最後か。フン、犬では生き血は請求できん。とんだ無駄働きだ」

毒を吐きながら、踵を返すダンドリッジ。

その頭上に。

「!!」

火災の高熱で鉄骨さえも融解したのか。

天井が崩落し、ダンドリッジに襲いかかる!

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