天神の系譜の奇妙なオムニバス
振り向くティグル。

鳶色の髪、着流し姿の優男が、こちらを見ている。

「沖田!」

リュートが声を上げる。

「やあリュート君。傷の具合はどうですか?」

にこやかに語り掛ける沖田。

途端に。

「!!!!!!!!」

彼は背中の大剣を抜いたティグルと、切り結ぶ羽目になってしまった。

帯刀した加州清光を咄嗟に抜刀し、ティグルの抜いた黒い刀身の剣を受け太刀する。

「何だい君…会うなり斬りかかってくるなんて、辻斬りみたいな人ですね」

笑顔で、鍔迫り合いをする沖田。

「君はリュー君の怪我の事知ってそうだね…」

ティグルもまた、笑顔で言う。

「洗い浚い話してもらおうかな」

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