天神の系譜の奇妙なオムニバス
金属音を立て、両者は分かれた。

「……」

ジンジンと痺れる手。

沖田は無言のままティグルを見る。

何だ、あの剣は。

黒い刀身に赤い紋様。

刀身の幅は広く、片刃でやや反り気味。

形状や大きさからして、馬上の将を馬ごと斬り倒す斬馬刀のような剣か。

1対1の戦闘すら前提にしていない、目の前の敵を全て薙ぎ払う事を目的としたような剣だ。

「レーヴァテイン」

ティグルが呟いたのが、あの剣の銘だろうか。

小柄な体には不釣り合いな大きさのその黒剣を両手で構え。

「目の前の敵を沈黙させる!」

ティグルは突進した!

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