天神の系譜の奇妙なオムニバス
「で」

ティグルがあらぬ方向に話しかける。

「君もリュー君の友達かい?よかったら自己紹介してほしいな」

「えっ?」

リュートを含め、ティグル以外の全員がその方向を向く。

ティグル以外、その気配には全く気付いていなかった。

「ほぅ」

ヌッ、と。

壁を擦り抜けてインバネスコートの男が姿を現す。

「鏡にも映らぬ吸血鬼の気配に気付くか。リュート・グリフィノーに比べて、貴様は勇者らしいようだ」

口角をつり上げるその男、ダンドリッジ・タチバナ。

「ダン!もう!また勝手にうろついて!」

走って彼を追いかけてきたベルも。

「あ…」

ティグルと初の対面を果たした。

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