天神の系譜の奇妙なオムニバス
目を丸くして、リュートの話を聞いているティグル。

「えっ、そうなのかい?」

「へッ、たりめーだよ」

どうだ恐れ入ったかとばかりに、リュートが笑う。

「何だぁ…惜しいなあ…折角リュー君の花嫁候補が3人も見つかったと思ったのに」

「は?」

ティグルの言葉に、振り向くリュート。

「いや、実はね」

ティグルはコソコソとリュートに耳打ちする。

「リュー君がここに座っている間に、ベルと話をしたんだ」

「お、おぅ」

「『ダンがいつもあんなに迷惑かけてるのに、少しも嫌な顔しないで、それどころか私まで気にかけてくれて…リュート君って、男らしいよね…』って。頬赤らめて、そんな事言ってたよ?」

「マ、マジか…?」


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