天神の系譜の奇妙なオムニバス

猛虎、帰還す

「じゃあ、明日には帰ろうかな」

夕暮れを眺めながら、水上コテージのウッドデッキで夕食のバーベキューを皆で食べていた時、突然ティグルが言い出した。

「お、おい何だよ…もうちょいゆっくりしていきゃいいじゃねえかよ」

あまりに突然の話に、リュートが少し寂しそうな顔をする。

「あは、そんな顔してくれるのかいリュー君。お兄ちゃん嬉しいなぁ」

微笑むティグル。

「ティグル様…リュートと同意見なのは癪ですけど…私ももう少しゆっくりして行きたいですわ。この地球…天神地区という場所、思っていた以上に居心地のいい場所ですし…」

アマリリスも名残惜しそうだが。

「それは僕も同じだけどね、アマリリス。忘れてないかい?僕らは転移魔法陣を無許可で使用してるからねえ」

ティグルは苦笑いした。

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