天神の系譜の奇妙なオムニバス
夕食も終わり、後片付けをする。

今夜はこの水上コテージに宿泊し、明日の朝にはミルトゥワに戻る。

その前に。

「リュー君、いいかい?」

ティグルがリュートの部屋を訪れた。

「お、何だよティグ」

「うん。ちょっと近くの砂浜まで、お兄ちゃんと散歩に行かないかい?」

「散歩?」

怪訝な顔をするリュート。

昔からそうなのだが、ティグルは時折突拍子もない言動をする事がある。

後々考えれば、そういう理由だったのかと納得がいくのだが、理解できるまでは付き合わされる方は意味不明だ。

「たまにはお兄ちゃんと、お月見でもしようよ」

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