天神の系譜の奇妙なオムニバス
「あら」

リュートは先客がいる事に気付いた。

ブロンドの背中まである長い髪、愛くるしい顔立ち。

普段は白いドレスに薔薇のピンク色のタイツを身に付けているが、ここは浴場。

そんなものは全て脱ぎ捨てて全裸。

140センチ程度の身長で決してグラマーではないものの、均整の取れた引き締まった白い裸体を湯船に沈めている。

それがリュートの姿を見つけるなり。

「リュート、おかえりなさい。帰ってきたのね」

湯船から立ち上がるものだから、何から何まで丸見えだ。

「ア、アマリリス!」

リュートが両手で自分の顔を隠す。

「馬鹿かお前!タオルくらい巻け!」

「あら、お風呂でバスタオルなんて巻くのはマナー違反よ?」

「ならせめて体隠せ!」

「何で?リュートだって丸見えじゃない」

「見てんじゃねぇよ馬鹿野郎!」

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