天神の系譜の奇妙なオムニバス
直訳すると、

『魔王に勝ったのだから、俺が魔王だ』

という事らしい。

どうして厨二病という奴は、魔王とか闇の何たらとかいうのに、やたらと魅力を感じるのだろう。

その辺りが、ベルにはとんと理解できない。

「そんな事よりさあ」

「そんな事とは何だ、マスター」

「今日は天神夏祭りなんだよ、知ってる?」

「ああ、何やら外が騒々しいな。夜は静寂に包まれるものだ。分かっていない連中が多い」

「花火上がってるんだよ」

「節操なく空で爆発させるアレか。火薬の無駄遣いだ」

「リュート君が自警団の皆と買い食いしてたよ。たこ焼きと焼きそばとアメリカンドッグと金魚いっぺんに買って食べてた」

「金魚とは、金魚掬いのか。金魚を食うとはアイツは馬鹿か」

「ヴラド学園長が、射的屋さんの賞品根こそぎ掻っ攫って店仕舞いに追い込んでたよ」

「流石祖父殿だ」

天神夏祭りの射的屋は、毎年店仕舞いに追い込まれるのが宿命です。

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