天神の系譜の奇妙なオムニバス
人混みを抜け、静かな場所へと移動して。

「リュート君」

後を追いかけた古奈美は、白い空手着の背中に声をかける。

「…怪我ねぇか?」

お面をずらし、リュートはニカッと笑った。

「咄嗟だったからよ、いい名前とか思い浮かばなかったぜ。お面もその辺の屋台で慌てて買ってよ」

「うふふ…そうだったんですか」

笑いを堪える古奈美。

「でも…助かりました。あのままプリティープリンセスが負けてたら、子供達がガッカリする所でした」

「自警団の連中使えばよかったのによ。武装天使の名のもとに集うプリティー騎士団!とかよ。お、なかなかいいネーミングじゃね?」

「彼らはプリティープリンセス親衛隊って名前なんです。そんなかっこ悪い名前じゃありません」

似たり寄ったり。

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