天神の系譜の奇妙なオムニバス
「だからではないか?」

斎藤が言う。

「君はもう十分に人を斬り、十分に葛藤した。君がこの任を授かったのは、君を解放する意味もあっての事だろう」

「……」

「地球・天神地区に落ち延びた、勅使河原幕府将軍・勅使河原 慶晃(てしがわら よしてる)の一人娘の警護…維新政府軍密偵方として、慶晃公の姫君の命を人知れず護れ」

「…僕には向いていないですよ」

斎藤の言葉に、沖田は笑う。

「人殺しが、姫君の命を護れもないもんですよ。どの面下げて用心棒気取りするんですか。散々殺しておいて」

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