天神の系譜の奇妙なオムニバス
「ひとつ教えてやろう」

古奈美達に飛び掛かろうとした見廻組の面々。

その間に割って入るように、インバネスコートの男が壁を擦り抜けて現れる。

「天神学園に武器の持ち込みは禁じられていない…まぁ暗黙の了解のようなものだがな。にもかかわらず、人目を忍んでそんな仕込み刀を持ち込む辺り…」

男…ダンドリッジ・タチバナは口角をつり上げる。

「その行為そのものが悪意。結界が反応せずとも、貴様らは悪党確定だ」

「なっ…」

突然現れた不気味な男に、見廻組の足が止まる。

誰にも気取らせぬように行動していたのに、この男はどうしてこの状況に気付いた?

「うちのマスターは臆病者なんでな。すぐ呼びつけられて迷惑している」

「な、何よ、ダン!」

金切り声を上げて怒鳴るベルを無視して、ダンドリッジは愛銃のクライムとパニッシュメントを抜くや否や早撃ち!

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