天神の系譜の奇妙なオムニバス
「そうですかあ」

刀を掲げる佐々木。

「どうしても説得に応じない場合は、貴女の御首級を以って維新政府軍への弔い合戦とすべし…そう幕府軍の生き残りの皆さんから言われています」

この人達は何処まで…。

古奈美の瞳から、涙が零れ落ちる。

どうあっても戦を続けたいのか。

何故投降して生きるという道を選べないのか。

小さな島国の少ない国民なのに、どうして皆が手を取り合って暮らせないのか。

他所の惑星との交流が、どうしてそんなに我慢ならないのか。

違う星の民とだって分かり合える。

この天神学園が、その何よりの証拠なのに!

「姫様、御命頂戴」

佐々木の刀が、振り下ろされる。

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