天神の系譜の奇妙なオムニバス
階段踊り場を埋め尽くす、怪我人の山。

彼はクライムとパニッシュメントの弾倉を確認する。

パニッシュメントは残弾無し、クライムに辛うじて1発のみ。

予備の弾薬は無し。

大した相手ではなかったが、なにぶん数が多い。

また裏ルートで弾薬を手に入れなければな。

カスール弾も安くはないのだが。

充満する硝煙の匂いを肺に満たしていると。

「……!」

その匂いに混じって、嗅ぎ慣れた匂いを感じ取った。

いつも魔力の補給と嗜好を兼ねて吸う、慣れ親しんだ血の匂い。

問題は、何故その血の匂いがするのかという事。

…傷を負わされたのか?

その考えに至った瞬間、普段冷静な彼が、怒りに赤く染まった。

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