天神の系譜の奇妙なオムニバス
「やれ」

合図と共に、見廻組隊員達の刃が一斉に振り上げられる。

「くっ!」

もう力が残っていない。

リュートに出来る事は、古奈美とベルを強引に引き倒して覆い被さる事だけだった。

願わくば、体を貫通されて、古奈美とベルに切っ先が届かぬように。

そう思っていた矢先。

「!?」

次々と上がる悲鳴。

見廻組の隊員達には、見飽きるほどに見飽きた太刀筋だった。

百舌連(もずつらね)

瞬くほどの間に、次々と刺突を繰り出す連続技。

戊辰大戦で、何百人の幕府方がこの剣に沈められた事か。

その剣を、遠く離れたこの天神学園で、今度は自身が受ける事になろうとは。

血の海に倒れていきながら、隊員の1人は返り血に塗れた人斬り鬼の姿を見た。

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