天神の系譜の奇妙なオムニバス
「お、沖田 蒼次郎っ…」

その姿を見とめ、別の隊員は逃げ始める。

隊長を倒されて見廻組の指揮系統は無いも同然。

最早、この戦いは負け戦だ。

一旦退いて態勢を立て直すしか…。

「お前か?」

振り向いて逃げようとした途端、隊員は長身の男の胸に顔をぶつけた。

「お前か?」

隊員の蟀谷にクライムの銃口を突き付け、憤怒の形相で、ダンドリッジは絞り出すように言った。

「マスターに手傷を負わせ、貴重な血を…俺だけの血を流させたのはお前か…!」

「ご、ごめんなさいぃぃぃぃっ!」

精鋭である筈の見廻組隊員が、半泣きで詫びる。

だって、こんなの謝るしかないじゃないか!

「お前がマスターを傷つけたんだな?」

「ち、違いますっ!」

「なら退けぇっ!」

苛立ちを隠す事なく、隊員をクライムの銃身で殴り飛ばすダンドリッジ。

隊員は昏倒し、転倒し、失神する。

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