天神の系譜の奇妙なオムニバス
まぁ酒はともかく、学園長のご厚意により本日は学食が無料開放。

食事や飲み物が生徒達に振る舞われる。

よく食ってよく寝れば、傷もすぐに治るという事だろうか。

ここぞとばかりに食べる生徒達。

「…ならばコイツは俺が頂くか。マスターも血を流して貧血気味だ。今日は血でなくコイツで我慢してやる。俺は未成年ではないしな」

ワインボトルをヒョイと持ち上げるダンドリッジ。

その拍子に、ボトルに貼り付けてあったのか、小さなカードがヒラヒラと落ちる。

カードにはこう書いてあった。

『ダンドリッジ・タチバナ、9月1日付を以って天神学園臨時教育実習生に任命する』

つまりアレだ、佐々木教諭が見廻組であった事でリュート達のクラスの担任が不在になった為という事だろう。

祖父のヴラドも教師の為、ダンドリッジにやってやれない事はなかろうという理事長のチャランポランな人事である。

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