天神の系譜の奇妙なオムニバス
何かもう少し腹に入れたい。

学食の方に向かったリュートは。

「リュート君」

その途中で古奈美に遭遇する。

「お、古奈美。ちゃんと食ってるか?」

「はい、もうお腹いっぱいで…あの…それで…」

モジモジしながら、古奈美はリュートを見る。

「まだちゃんとお礼を言っていませんでしたから…あの…助けてもらって本当に…」

「あー、いい、いい」

リュートは古奈美の言葉を遮った。

「やめてくれよ、そういうの。面と向かって言われるの苦手なんだ」

「……」

はにかむ古奈美。

「あのね、リュート君…さっき沖田さんに言われたんです。ヒノモトの維新政府は、私を幕府の姫として、要人扱いで保護するって…ヒノモトに戻っても、投獄も処刑もされる事なく、政府の護衛付きで普通に暮らせるそうです」

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