天神の系譜の奇妙なオムニバス
「そうか…」

リュートは笑う。

それがいい。

生まれ育った場所で暮らすのが、一番いい事なのだ。

古奈美達はリュートとは事情が違った。

戦火に追われて落ち延びてきたのだ。

帰りたくても帰れない事情があった。

戦争が終わって平和になったのなら、故郷に帰った方がいい。

「でも私、天神学園に残りますね」

「えっ?」

顔を上げるリュート。

「姫はお休みです。こっちの方が、政治とか派閥とか面倒な事がなくていいし、楽ちんですから」

< 398 / 770 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop