天神の系譜の奇妙なオムニバス
「あいったー…」

頭を押さえて蹲るティグル。

「蹴り足をノームの力で石化させるなんて、いやぁ、兄ちゃん一本取られたなぁ」

嬉しそうに笑うティグル。

お兄さん、頭から血がダクダク出てます。

「じゃあ…」

ティグルは両手でレーヴァテインを握り締めた。

「兄ちゃんムキになっちゃおうかな」

握り締めたレーヴァテインをクルリと逆手持ちにして、地面に突き立てる。

途端に地面が割れ、その割れ目から噴き出す火柱!

「レーヴァテインってさあ、リュー君の行ってる天神学園の世界じゃ、『世界をまるごと焼き尽くすという究極の武器』『ラグナロクでスルトが世界を焼き払う剣』とか言われてるんでしょ?」

その伝承を具現化したかのように、ティグルのレーヴァテインは激しい炎を刀身に秘めていた。

炎の精霊サラマンダーとも、炎の精霊の女王ロイエ・ティナとも違う、固有の炎。

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