天神の系譜の奇妙なオムニバス
皇都からでも視認できる、天を衝くような火柱に。

「すっげぇなティグ!それどうやるんだっ?」

恐れもせず、寧ろ興味津々で目を輝かせるリュート。

「リュー君には無理かなあ。精霊術じゃなくて、レーヴァテインから出る炎だから。この剣持ってないと出来ないよ」

「いいなそれ!その剣くれ!」

「リュー君はすぐ兄ちゃんの物欲しがるなあ。駄目だよこれは。兄ちゃんの大事な剣だから」

「んだよ、ケチくせぇな」

「ケチじゃないけど、これはリュー君にあげないよ」

戦闘の最中、普通の会話をする兄弟。

「じゃーいいよ」

腰を落とし、リュートは構える。

そのリュートの全身から、黒いオーラが立ち昇る。

足先から、少しずつ全身を包み込むオーラ。

それはやがて、彼の肌すらも褐色に染め抜き。

「グリフィノー拳闘術・闇の型!」

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