天神の系譜の奇妙なオムニバス
火柱を引き裂いて、ティグルのレーヴァテインが振り下ろされる!

『ヴィゾーヴニル・キルド』

北欧神話の原典において、世界樹の頂に座している雄鶏ヴィゾーヴニルを殺す事ができる剣であるレーヴァテインに因み、ティグルは最大の一撃をこう名付けていた。

目も眩むような真紅。

熱いのか、痛いのかさえ分からない。

目の前が真っ赤に染まり、瞬時にして蒸発したと思った瞬間。

「お」

リュートは、顔を覗き込むティグルに見下ろされて目を覚ました。

「シルフの治癒で、火傷も傷も全部治したから大丈夫だからね」

「何だよ、負けたんかよぉ」

頭をガシガシ掻きながら起き上がるリュート。

この2人は昔から、こんな命懸けのじゃれ合いをキャッキャ言いながらやっていた。

< 418 / 770 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop