天神の系譜の奇妙なオムニバス
清光を鞘に納める真太郎。

「清光は俺が預かる。働きを終えた刀の御霊を鎮魂し、丁重に供養する」

そう言って傍らの紫陽花に渡した真太郎は。

「で…次は何がいい。宗近か、安綱か」

宗近とは、三日月宗近。

安綱は童子切安綱の事。

三日月宗近は平安時代の刀工・三条宗近の作になる太刀で国宝。

童子切安綱は源 頼光が酒呑童子退治に用いた鬼切りの太刀で、人の胴体六つを一太刀で輪切りする恐るべき切れ味を誇る。

どちらも天下五剣に数えられる銘刀だ。

ヒノモト出身の異邦人である沖田でも、その価値は知っている。

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