天神の系譜の奇妙なオムニバス

「夕城には、龍の刀鍛冶がいる」

戸惑う沖田に、真太郎は言った。

「腕は確かで、これまでにも天神学園が輩出した名剣士、名剣客の愛刀を鍛え上げてきたのだが…何ぶん戯れが過ぎてな…銘刀と言われる刀の数々を、模倣しては打ち上げている。夕城の刀工の歴史きってのペテン師だ」

つまり贋作の作り手という事。

しかし、贋作も本物と見分けがつかなければ真作だ。

贋作と看破できるからこそ、贋作なのだから。

「清光もまた、その刀鍛冶の作刀…偽物は、貴様に不便を強いたか？」

「いえ、全く」

微笑みながら、沖田は答える。

「僕は血に塗れた人斬りですから…天下五剣のような国宝では、眩しすぎて目が眩みます。贋作くらいが丁度いいかと」