天神の系譜の奇妙なオムニバス
そんな事を言った矢先。

「こらっ」

ぺちん、と。

それまで黙っていた紫陽花が、両手で沖田の頬を軽く挟んだ。

「そういう事言ったら駄目ぇ。沖田君は沖田君だから、偽物がお似合いみたいな事言ったらいけないんだよ?」

「は、はぁ…」

「皆違うし、皆大事なの。要らない人なんていないの。分かった?」

「は、はい」

「んじゃ、復唱っ」

「は?」

「りぴーとあふたーみー!」

「み、皆違うし、皆大事…」

「よく出来ました♪」

ご褒美のチューをしようとする紫陽花を。

「やめておけ」

真太郎はムンズと顔を摑んで止めた。

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