天神の系譜の奇妙なオムニバス
「お待たせした。宇治抹茶あんみつと冷やし善哉」

「わー有り難うございます!あの、一緒に写真いいですかっ?」

「む…ま、まぁ構わないが…」

若い女性2人連れに声をかけられ、困惑気味なのは三番隊隊長の斎藤だ。

向こうでは二番隊隊長の永倉が、抹茶ミルクラテにラテアート書いてほしいとか女性客に無茶ぶりされている。

「話が違うぜ、俺らは裏方で甘味作ってりゃ、勅使河原が接客はやるって言ってたのによ」

豪放磊落で知られる十番隊の原田が、動揺を見え隠れさせる。

予想に反して、茶屋には多くの若い女性客が訪れていた。

世は空前の刀剣ブームだそうで。

その流れで侍やら武士の匂いのする男子も持て囃されているそうなのだ。

ただ古奈美が甘味食べたいという理由で始めた茶屋、意外なほどに大人気。

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