天神の系譜の奇妙なオムニバス
丁度時刻も午後8時過ぎ。
先程から煩いほどに打ち上げ花火が上がり、歓声と共に生徒や一般客達が模擬店に殺到している。
そんな中で古奈美が見つけたのは、小ぢんまりとした屋台風のラーメン店だった。
赤提灯なんかぶら下がって、やけに雰囲気を醸し出している。
「ここに入ってみましょうか。他の模擬店と違ってお客さんも並んでいないし」
嬉しそうに暖簾を潜る古奈美。
「私、ヒノモトにいた時はこういうお店に入った事なかったんです。お店どころか、ご飯はいつもヒノモトの都の穢土(えど)城の中で。1人で出歩く事だってなかったんです」
落ち延びてきた形とはいえ、そんな古奈美にとって天神地区での生活は驚きの連続だった事だろう。
「今思えば、沖田さんや自警団の皆さんが陰から見守っててくれてたから、1人ではなかったんでしょうけどね」
先程から煩いほどに打ち上げ花火が上がり、歓声と共に生徒や一般客達が模擬店に殺到している。
そんな中で古奈美が見つけたのは、小ぢんまりとした屋台風のラーメン店だった。
赤提灯なんかぶら下がって、やけに雰囲気を醸し出している。
「ここに入ってみましょうか。他の模擬店と違ってお客さんも並んでいないし」
嬉しそうに暖簾を潜る古奈美。
「私、ヒノモトにいた時はこういうお店に入った事なかったんです。お店どころか、ご飯はいつもヒノモトの都の穢土(えど)城の中で。1人で出歩く事だってなかったんです」
落ち延びてきた形とはいえ、そんな古奈美にとって天神地区での生活は驚きの連続だった事だろう。
「今思えば、沖田さんや自警団の皆さんが陰から見守っててくれてたから、1人ではなかったんでしょうけどね」