天神の系譜の奇妙なオムニバス

「「が、学園長っっっ？」」

声を揃えて言うリュートと古奈美。

「な、何言ってんだこの野郎！キスなんてしねぇよ！」

「そ、そうですよ！私達付き合ってるとか結婚を前提だとかゆくゆくは勅使河原家に婿入りしてもらうかグリフィノー家にお嫁に行くかじっくり話し合おうとかそんなんじゃないですから！」

「ならば勅使河原家に婿入りがいいのではないか？上手くすれば維新政府で栄職に取り立ててもらえるかもしれんぞ…おい、替え玉だ。バリカタで」

慌てふためくリュート達を他所に、替え玉の麺を注文するヴラド。

「俺は地位とか興味ねぇよ、自由気ままに暮らしていける方がよっぽどマシだ」

「フン、そういう所はシオンによく似ている。つくづくグリフィノーの男どもは欲がない」

ヴラドは丼を手にしてスープをズズ、と飲む。

「…悪くはないが、やはり龍娘の作るニンニクラーメンには劣るな。精進が足りんぞ店主」